ディスタンス系アイアンとして、ストロングロフトのアイアンが増えています。ストロングロフトとはどのようなアイアンか、そして、どのようなメリットとデメリットがあるか、本投稿で解説していきます。
目次
最近増えている!ストロングロフトのアイアン
アイアンは大きく分けると飛距離重視のディスタンス系アイアンと操作性重視のアイアンに分けることができます。ディスタンス系アイアンは飛距離を生み出す仕掛けがありまして、その一つがストロングロフトです。
ストロングロフトとは?
ストロングロフトとは、ロフトが立っているものを意味します。ロフトが立つとは、ロフト角の数値が小さくなった状態でして、上図で言えば、フェース面が起き上がってきてシャフト軸に近づいてくる状態です。この状態をロフトが立つ・立っているとも言います。
ロフト角がいくつだとストロングロフトのアイアンなのか?
ストロングロフトとは、ロフトが立っていることを表しますが、具体的な定義はありません。一般的にはロフトが立っていないアイアンでも、前作よりロフト角が小さくなっていれば「ストロングロフトになった」と言うこともあります。
ただし、これまでのアイアンの主流スペックと最近のストロングロフト化したアイアンのスペックから言いますと、大凡、7番アイアンで27°以下のものが該当するようです。
最近は全体的にストロングロフト化している
時代を遡って変化を追う時に、長く販売されているモデルの存在が役立ちます。国内の人気ブランドXXIOは2000年に初代が発売されてから、今尚、ニューモデルが発売されていて、現在は10代目となります。
- 初代ゼクシオアイアンの7番のロフト角:32°
- ゼクシオ10アイアンの7番のロフト角:29°
スペックがなかなか変わらないことで知られるXXIOでも、最初と最新のモデルで比較すると7番のロフト角は3°差があり、ほぼ1番手分ぐらい時代の流れと共にロフトが立ってきています。
ストロングロフトのアイアンが飛ぶ理由
ストロングロフトのアイアンは構造上の特徴があります。ストロングロフトのアイアンは、マッスルバックではなくキャビティー構造で、ソール幅があります。ヘッドの下部に重量を持ってくることで低重心設計となっています。
ゴルフクラブのボールの打ち出し角は、ロフト角によって大きく決まりますが、同じロフト角でも、重心が低いヘッドの場合、ボールが上がりやすくなります。そのため、キャビディー構造・分厚いソールで低重心設計となっているアイアンは、そうでないアイアン以上にボールが高くあがりますので、その分、ロフトを立たせることができます。
ロフトが立つと、ボールに与えるエネルギーが上方から前方に移りますので、ボールの飛距離がアップします。
POINT
- キャビティー・分厚いソールにより低重心となり、ボールが上がりやすい。
- その分、ロフトを立たせることができ、インパクトエネルギーが上より前に進む方向に消費される。
ストロングロフトのアイアンのメリット・デメリット
ストロングロフトのアイアンのメリット
メリットは、何と言っても圧倒的な飛距離です。試打動画を見ていると、7番アイアンで200ヤードを大きく超えるものもあります。
もう一つはやさしさです。形状の特性から低重心であると同時に深重心になっています。重心が深いと慣性モーメントが大きくなりますので、ミスへの許容性が高くなります。弾道のブレが少なく、直進性が高い弾道で飛ばせます。
ストロングロフトのアイアンのデメリット
ストロングロフトのアイアンは飛距離が出てやさしいということで、デメリットがなさそうですが、2点ほど上げたいと思います。
一つ目は操作性です。やさしさ・直進性の反対側にあるのが操作性で、打点がブレてもクラブが許容してしまい、真っすぐ飛ばしてしまうということは、意図した弾道を繰り出しにくいと言えます。上級者で弾道を操作したい方には、真っすぐとんでしまい扱いにくいアイアンとなります。
二つ目はクラブセッティングです。アイアンはロングアイアン、ミドルアイアン、ショートに分類され、それぞれの番手間でロフト角が程よい間隔を取られています。上の番手のロフトが立ってきますと、ウェッジのロフトと開きが出てしまいますので、操作しにくい距離が出てしまう可能性があります。
実際、7番アイアンで25°というかなりのストロングロフトになっているゼクシオクロスアイアンでは、PWが37°になってしまっています。ゼクシオ10アイアンでは43°ですから、ストロングロフトにしたしわ寄せが出ています。
そこで、AWとSWの間にDWという新たな番手を加えて、距離の空白地帯が生じないように配慮されています。
ストロングロフトのアイアン、おすすめ2モデル