年末になると思い付く仕事の一つが大掃除。
電気の傘の中、網戸、窓ふきなど、普段、掃除しにくいところが気になる時期です。
しかし、年末の大掃除は、基本的に避けることをオススメします。
大掃除をしたことで、大きな損害を生じる可能性もありますので、大掃除がダメな理由、生じうる損害について解説します。
年末に大掃除をしてはいけない理由
①冬は特に物が壊れやすい
冬は気温がとても低いので、あらゆるものの温度が下がっています。
家庭で掃除をするものには、プラスチックや金属が使われているものが多くありまして、これらの素材は冬になると硬貨していて、柔軟性が大きく低下しています。
例えば、電気の傘など、プラスチック製の蓋類は、プラスチックの柔軟性を活かしたタイプが多くありまして、柔らかく曲がってくれないと脱着が出来ません。
これを真冬の朝、冷え込んだ時に行うと、プラスチックがパキーンと折れてしまって破損するといったことが往々にして起こります。
年末年始は企業活動や物流が停止しがちですが、破損した物によっては、専門業者による修理が必要だったり、特殊な部品で調達に時間が掛かることもあり、休みの間、不便が生じることも有り得ます。
掃除は暖かい時期に行うか、室内であれば部屋を暖めてから、屋外であれば晴れた午後に行うのがオススメです。
【参考:東京の平均気温】
夏と冬での平均気温の差は、東京でしらべると、8月が最も高くて26.9℃、12月が最も低くて5.4℃、実に20℃以上の差があります。
②手が荒れやすい
気温の低さは、水道から出るお水の冷たさにも影響します。掃除の際に、雑巾で水拭きをされる方も多いと思います。
そして、冷たい水を使った掃除で起きやすいのが手指のひび・あかぎれです。
指の皮膚がぱくっと割れてしまうと、とても痛い上に、何とも治りにくいので、年末年始で炊事も多い季節、手指のひび・あかぎれの要因はできる限り避けましょう。
③体を痛めやすい
大掃除となると、普段、掃除をしないところ、しにくいところに取り組んだり、荷物の整理をしたりということが多くなります。
例えば、大きな窓、棚の上、外壁や柵を掃除したり、大きな家電や机などを移動させたりです。
冬は物だけでなく、寒さで体の柔軟性も損なわれています。そんな状態で、高い位置に手を伸ばしたり、普段、持たないような重いもの、持ちにくい者を運ぶと、体の筋や腰を痛めたり、年1回の慣れない作業で転倒のリスクも高くなります。
普段、行わないような作業、持ち慣れていない物・重い物の運搬こそ、暖かい時期に行う方が適しています。
さらに、不幸にも体を痛めてしまった場合を考えると、病院で治療を受けにくい時期でもありますし、年末年始をぎっくり腰で迎えるのも、避けたい事態ではないでしょうか?
筆者が実際におこした大掃除の失敗例
事例1:換気扇の蓋が壊れた
お風呂の換気扇を掃除しようと思い、換気扇の蓋を真冬に取り外そうとしました。そうしたところ、蓋を脱着するしかけとして1mmぐらいの太さの金属クリップのようなものが使われていまして、見事に折れました。
住宅メーカーの特殊な部品のため、年末年始で注文することもできず、年末年始の間、換気扇が使えないという不便な事態に陥りました。
事例2:ソファーを運んでぎっくり腰になった
絨毯の掃除のためにソファーを移動させたところ、冬の朝で体がまだガチガチだったため、腰を痛めてしまいました。
年末年始は色々な用事がありますが、殆ど手伝えなくなりましたし、忙しい中、居場所がなくとても申し訳ない気持ちにもなりました。病院が休みの期間に入ってしまったのも、メンタル的に追い打ちを掛けられました。
まとめ
年末に一年の汚れをきれいに落として、ピカピカの家で過ごしたい。
そんな気持ちはとても良く理解できます。
しかし、年末年始は企業・物流・医療など、各種サービスが停止しがちなため、何かことがおこると迅速に対処しづらいにが実状です。
その上、寒さで物や体を痛めやすいという、掃除に適さない環境面の事情もあります。
投資の神様と呼ばれているウォーレン・バフェットは、「優れた経営者は、朝起きて『今日こそコストを削減しよう』なんて言わないものだ」と述べています。
これは、コスト削減は時々行うものではなく、365日、常に行うことだという意味です。
掃除もできるだけ頻度を上げて行っておくことで、年末という不便で不適切な時期の掃除を避けるのが適当です。