「国債発行は借金ではない」という主張には限界がある

このまま借金が増え続けても日本は破綻しない?「財政健全化」は本当に必要ないの? 積極財政派の専門家に聞きました

上記の記事が、良くも悪くも興味深かった。

主に悪くも。

 

調度、衆議院選挙を迎えて、各党が政策を発表しているが、バラマキの話ばかりで将来的な財政の話が一切ない。

 

こんなんで大丈夫かと思っていたので、日本の借金について取り上げてみた。

 

まず、日本の今の状況としては、

借金が1,000兆円を超えていて、

破綻するんじゃないか

と言う意見がある。

 

一方で、日本ほど資産が多い国は無く、

バランスシートで見れば、純粋な借金は少ないから、

問題ないという意見もある。

 

そして、国債を発行しても、

日銀が持ち続ければ、

実質、借金にならない

という考え方もある。

 

なるほど。

返さなくて良いなら、借金とは言えない。

だが、この主張や引用している考え方を見てみると、

矛盾点が出て来る。

 

「インフレにならない限り財政赤字で破綻することはない」

つまり、インフレはまずいと。

それで困っている国が現実にあるので、

この考え方に相違のある方はまずいないでしょう。

 

「インフレに転じる予兆が見えたら、

しっかりとコントロールすれば良いんです。」

なるほど。

予兆が見えたらコントロールすれば良いと。

 

しかし、ここで問題となるのは、

予兆の「予」は、「予め」という意味。

インフレを抑えるために十分な時間がある段階で、

予兆を掴めるのかという問題がある。

 

そして、コントロールは本当にできるのか?

という疑問がある。

 

インフレが一瞬だとすれば、

予兆を掴む間もなく、

掴んだとしてもコントロールできない可能性がある。

 

実際、物価を上げる方のコントロールは、

日銀がここ10年ぐらい達成できずにいて、

苦しんでいる。

 

そして、これが予兆の一つなのか、

財政赤字についてこんな話が出ている。

「累計3000兆円くらいの財政赤字であれば問題ないのではないかと考えています。」

突然、出てきた3000兆円。

単純に今の2倍ぐらいの数字。

 

算出根拠があるのかもしれないが、

ここでは披露されておらず、

ややアバウト感は否めない。

 

それよりも重要なのは、

財政赤字には許容される上限がある

と言っているのと同じ点だ。

 

100歩譲って、

借金ゼロにする必要はないとしよう。

 

だが、財政赤字には危険水域があって、

そこに近づいたらコントロールしないといけない。

 

それは実現するのが、

今尚、達成できていないプライマリーバランスゼロだ。

単年での赤字無し。

 

これはつまり、

結局のところ、国債発行に永遠と頼ってはいけない、

という結論に帰着する。

 

政党には、

プライマリーバランスゼロへの道筋を、

必ず述べてもらいたい。