2021年の全米プロで、50代での史上初の優勝を成し遂げたフィル・ミケルソン。稀代のレフティーのクラブセッティングに注目が集まっています。
フィル・ミケルソンが使う2種類のドライバーについて取り上げます。
目次
個性的なフィル・ミケルソンのクラブセッティングは、実は論理的!?
ツアープロと言えど、クラブセッティングは大体似通っています。例えば、タイガーウッズは、1、3、5番ウッド、3~9番アイアン、ウェッジ3本にパターです。
もう一方例を出すと、松山英樹の場合、1、3番ウッド、3番ユーティリティ、4~9番アイアン、ウェッジ4本にパターです。
ユーティリティの3番はフェアウェイウッドの5番相当のロフトですから、かなりクラブセッティングが似ていることが分かります。
そして、この記事で取り上げているフィル・ミケルソンはどうかというと、個性的なセッティングで知られています。ドライバーを2本入れたり、逆にコースによってはドライバーを抜いてフェアウェイウッドを2本にしたりと、他では見られないような組み合わせで実戦に挑んでいます。そして、勝利ももぎ取っています。
これは、非常識・非論理的のようにも思えがちですが、強ちそうとも言えません。
例えば、操作性が良いドライバーを使っていたとしても、ドローとフェードのどちらが打ちやすいかという偏りは必ずあります。次の大会では、ティーショットで右に左に曲げる必要があるとした場合、苦手な方の曲がりを楽に打てるもう1本のウッドを入れておくと言う選択は、実にシンプルで至極当然な対策です。
実際、フィル・ミケルソンは、ドロー・フェードの打ち分けだけでなく、長い・短いを打ち分けるために2本ドライバーにしているケースもあるとも言われています。
常識にとらわれず、コースに合わせたクラブ選びこそ、論理的なクラブセッティングと言えます。
史上初!50代メジャー制覇のフィル・ミケルソンの2本ドライバー
全米プロで最年長メジャー優勝を成し遂げたフィルミケルソン。記録更新は実に53年ぶりとのことです。
この大会でも2本のドライバーを使っていて、活躍と合わせて注目を浴びていました。
どちらも特徴のあるドライバーで、50代にして今尚300ヤード以上飛ばし続ける実績を考えると、今後のドライバーやクラブセッティングのトレンドに影響を及ぼす可能性がありそうです。
フィル・ミケルソンの2本のドライバーについて見ていきましょう。
絶壁・長尺のEPIC SPEEDドライバー
1本目は、用具契約しているキャロウェイの最新機種、EPIC SPEEDドライバーです。
通常のEPIC SPEEDドライバーは、ロフト角が9.0と10.5°、クラブ長さが45.75インチですが、フィル・ミケルソンは大幅にスペックが異なるモデルを使っています。
出典:randa.org
こちらがフィル・ミケルソン専用と思われるヘッドです。調整を加えて、ロフト角は5.25°の絶壁、クラブ長さは47.9インチというシニアもびっくりな長尺です。
ロフト角については、ドライバーというよりパターの方が近い角度です。ドライバーの飛距離アップは、弾道の高さ、低スピンが求められるため、球をある程度、上げる必要がありますが、その常識をも気にしない絶壁ヘッドです。
長さについては、それでもEPIC SPEEDの標準的な長さ45.75インチですから、2インチ以上、つまり5cm以上長いことになります。
フィル・ミケルソンは体が大きく身長は191cmあります。石川遼選手が175cmですから、日本人からするとかなりの高身長です。ただ、背が高くても、腕も長い訳ですから、5cm以上長いクラブというのはかなりの長尺スペックで、扱いきるには相当な技量も必要でしょう。
長ければヘッドスピードは上がりますので、これは飛距離に関してプラス材料です。
短尺・小ぶりなミニのOriginal One ミニドライバー
2本目は、こちらのミニドライバーです。契約するキャロウェイではなく、ゴルフクラブでは最大のライバルであるテーラーメイドの製品です。
2019年に発売されたモデルで、ヘッド体積275ccで、標準のクラブ長さが日本モデルで43.75インチです。
ティーショットでも地面からでも、どちらでも打ちやすいクラブです。
最近は、短尺でミート率を高める狙いを持ったドライバーを見かける機会が増えているように思いますので、ミニドライバーはややトレンドがあるとも言えます。
まとめ
フィル・ミケルソンのクラブセッティングについて、2本のドライバーを取り上げました。
レフティーで天才肌なイメージがあり、クラブセッティングは個性的・ユニークと捉えられているますが、実は、論理的な思考に基づいて素直に選択した結果だと思います。
日本でも、フェアウェイウッドを4本使ったり、アイアンは7番からしか使わないプロゴルファーもいます。
ご自分のクラブセッティングも、常識を外してみてゼロから構築し直してみると、ゴルフが変わる可能性がありそうです。