スポーツの世界では、イップスという症状があります。思い通りの動作が出来なくなってしまう不思議な症状について、原因や克服方法をまとめます。
目次
イップスとは?
イップスとは、自分で考えた通りに動かない症状を言います。
例えば、野球でボールを投げようと思ってもスムーズに投げられない、ゴルフで打とうと思ってもぎこちなくなってしまう、といったことが挙げられます。
実際のイップスの様子
こちらはゴルフのイップスです。トップポジションまでは良いのですが、そこから手が下りてないため、体の体重移動だけが前に進んでしまいます。
こちらは野球の投球のイップスです。こちらもテイクバックから切り返したところで、イップスが生じています。
こちらも野球の投球のイップスです。やはり同じようにテイクバックまではスムーズですが、切り返したところで、一度、躊躇が入り、手を振り直す動作になっています。
イップスの原因はよくわかっていない?
イップスの原因については、メンタルの問題と考えられていましたが、そうではないという見解もあり、はっきりしていない、一つに特定できないというのが現状のようです。
イップス (yips) は、これまで心因性が原因ではないかと推測されてきたが、神経科学の発達により、過度な同一動作が原因であることが分かってきている。
イップスが起こる原因は諸説ありますが、ほとんどが精神的な要因です。
いずれにしても、本人だけの自主的な努力で治すのは難しいと思いますので、できるだけ多くの克服事例に触れることは様々な面で重要となります。
イップスの克服方法
原因が良くわからないとなると、克服できないのではないか?と思われますが、イップスを克服したという方はいます。
逆に原因がはっきりしていないとすると、克服方法も何種類かに分かれる、または、個人により異なるということも考えられます。
そこで、本記事では、実際に克服された方、克服方法を把握されている方の情報をもとに、克服方法を取り上げます。
ジャンボ尾崎のイップス克服方法
ジャンボ尾崎はマスターズが切欠でパターのイップスになりました。克服方法としては、フォームを変えることと、呼吸法を取り入れることの2つです。
フォームを変えることについては、野球のイップスでも有効事例が出ていますので、納得感があります。特に、最初の始動ができないという悩みだったため、1つ別の動作を始動の前に加えることで、これまでの始動を2番目の動作にしたそうです。
2つ目の呼吸法については、精神論的な雲をつかむような印象を持たれる方もいるかもしれません。しかし、この時のインタビュワーの横田真一プロは、幸運にも大学院で自律神経を学んでいた経歴があります。ジャンボ尾崎が呼吸法を取り入れた点について、呼吸と自律神経の関係から科学的な説明を加えています。
呼吸の深さと野球のバッティング・ピッチングの関係の説明も、より呼吸の有効性を感じさせてくれます。
とても参考になるイップス克服事例の話です。
イップスの克服方法についてプロトレーナーが解説
プロ野球選手の自主トレに参加するトレーナーが、イップスについて解説しています。
イップスの原因や克服方法について解説されています。ポジションチェンジやフォーム変更によりイップスを克服する有効性について、筋肉の視点から説明されています。
メンタルだけに限定されない説明がされていて、とても参考になります。
イップスを扱った作品を見て理解を深める
イップスはプロスポーツの世界でも珍しくない症状です。映像作品としてもしっかり取り扱われたものがありますので、イップスの理解・克服事例に触れることができます。
イチローもイップスだったという話は、この分野の中では良く知られている話です。アスリートのイップス克服の話を取り扱った書籍です。
プロ野球選手が語るイップス体験や指導者たちのイップスへの取り組みについて書かれた書籍です。松井秀喜も推薦している本です。
名バッターを相手にしてイップスになった人の話が紹介されています。この点からすると、原因を辿ると精神的なものが大きく関係しているように感じられます。